今までは住宅は所有する、それまで住んでいた家を手放す場合は売却してその家を引き渡す、そして出ていくというのが当たり前でした。しかし、本当はお金が必要で売却したけれどもその家に住み続けたいという方も多いと思います。それが可能なのが、今回ご紹介させて頂く「リースバック」という方式です。
高齢化社会の進行やコロナ禍による経済状況の変化もあり、住宅に関する選択肢の一つとして注目されつつあるリースバックについてのメリット、デメリットと併せて見ていきたいと思います。
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「リースバック」とは？
リースバックとは、「セール・アンド・リースバック」を略したものになります。自分の持っているモノを一度売却して、そのあと借りて使用するといった金融取引を指す言葉です。住宅だけでなく、設備や住宅以外の不動産、あるいは飛行機といった動産にもあてはまります。住宅の場合は、所有し居住している住宅を売却し、そのまま賃貸借契約、借家契約を結んで住み続けることとなります。
「リースバック」をする事のメリットとデメリットは？
では、まずはリースバックのメリットについて見ていきたいと思います。
１、売却により、まとまった資金を手にすることができる。
リースバックを検討される方にとって、最も大きなメリットだと思います。例えば、ローンの支払いが困難になってきた方や、老後の生活のために現金を手元に残しておきたいといった方にとっては、まとまった資金が手に入るというのは魅力的なことです。特に、昨今においてはコロナ禍で収入が減ってしまった方にとっては検討する価値があるものかもしれません。また、高齢化が進む中で年金収入だけでは心もとない、といった場合にも検討できるかも知れません。
２、毎月、定額のリース料、家賃を支払うだけで済む。
住宅を所有していると、ローンに加えて様々な出費が発生してきます。固定資産税等の不動産にかかってくる税金や損害保険の掛け金はもちろん、修繕費用などが必要になってくることもあります。これらは案外大きな負担となると同時に不意に発生するものもありますが、これが家賃という形で定額化されますから、家計のやりくりがしやすくなります。
３、今まで住んでいた家にそのまま住み続けることが出来る。
家を売却する場合、大きな障害となるのは引っ越しだと思います。金銭的、物理的な負担もそうですが、住み慣れた家に可能であればそのまま住み続けたい、という願いは誰しもが持つものだと思います。特に、お子様の学校に関する問題がある方や高齢の方にとっては、引っ越さずに済むとうのは嬉しいことですよね。
次に、リースバックのデメリットについていくつ挙げてみたいと思います。
１、売却価格が安い傾向がある。
まず、売却価格ですが、そのまま住み続けることができる代わりに、相場よりも安く取引がされる傾向があります。理由は、買主にとって購入後の利用の仕方に制約がかかってくるなどがあります。
２、自分の家でなくなる、「所有権」がなくなってしまう。
当然のことですが、リースバックをするという事は自分の家でなくなり、所有権はなくなってしまいます。その結果、自分の思うような使い方やリフォームやリノベーションが出来なくなることもありますし、その家を担保に融資などを受けることができない、といったことにもなります。
３、賃貸契約の内容に注意が必要
また、そのまま住み続けることができるというのが、リースバックの大きなメリットの1つですが、賃貸借契約の内容には注意が必要です。一定期間の賃貸借を前提とした定期借家契約の場合は住み続けるためには、契約期間が終了の際には、更新する必要が出てきます。その際の更新の可否や条件についても不明な点が残りかねません。リースバック契約を行う際には、その当たりも想定しながら契約を結ぶ必要があります。
家を手放す、売却する理由というものはそれぞれだと思いますが、そのまま住み続けることができるのであれば、それもいいかな、と考える方もこれからも増えてくるかもしれませんね。コロナ過によるものもありますが、不動産を取り巻く状況も大きく変わってきています 💡
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