住みたい街ランキング 2021

『住みたい街ランキング2021』が発表!ランキングにみる不動産市況の変化を見てみよう!

(画像出典:LIFULL HOME’S)

日本全国住みたい街ランキングは、毎年発表されるもので不動産に対するニーズ、傾向を知る上で重要な指標となっています。算出の仕方は不動産情報サイトに掲載された物件に対する反響、問い合わせの数から出されたもので賃貸と購入、それぞれについて見ることができます。

先日、この「住みたい街ランキングの2021年版が発表され話題となりましたが、果たしてコロナ禍の影響はどこまであったのでしょうか。その当たりのことも含めて、今回は見ていきたいと思います。🧐

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住みたい街ランキング2021にみる「首都圏エリア」の状況

住みたい街ランキング 2021

(画像出典:LIFULL HOME’S)

まず、首都圏の状況を見ていきます。結果として、首都圏ではコロナ禍の影響も大きく、その影響による順位の変動があったと言えるようです。それでは、賃貸、購入それぞれについて見ていきたいと思います。

 <賃貸

  首都圏での賃貸派に住みたい街ランキングは次のようになっています。

  第1位 本厚木 

  第2位 大宮

  第3位 葛西

  第4位 八王子

  第5位 池袋

全体的な傾向として注目すべきは、1位になった本厚木に代表されるような、準郊外や郊外でも乗り換えなしで都心までいける利便性の高い地域がランクをあげていることです。その逆で、これまで5年連続で1位だった池袋がランクを下げています。その他にも川崎等もランクを下げています。テレワークやオンライン授業の普及もあり、住み替えのしやすい賃貸派は、どうやら郊外志向が高まったようです。

 購買

  次に、購買層に人気のエリアを見ていきます。

  第1位 勝どき

  第2位 白金高輪

  第3位 本厚木

  第4位 三鷹

  第5位 北浦和

購買派の場合は、コロナ禍終息後も見据えた動きとなっているようで、利便性や資産価値を重視した結果、都心派と準郊外派に二分されるようです。2年連続1位となった勝どきは、オリンピックの選手村跡地のプロジェクトに注目が集まっているようですが、同じように注目を集める分譲物件がある白金高輪等はやはり人気となっているようです。

都心志向の購買派の場合は、それほどコロナ禍の影響を受けていないようです。一方、テレワーク等の普及で、「八王子」「柏」「橋本」「平塚」といった比較的利便性の高い準郊外、郊外も人気となっているようです。こちらもコロナ禍が収束しても、働き方、生活様式は完全に元に戻るわけではないという前提での選択となっているのでしょう。

近畿、中部、九州圏の状況

それでは、首都圏以外の地域ではどのような状況になっているのでしょうか。近畿、中部、九州圏について見ていきたいと思います。

 近畿圏

住みたい街ランキング 2021

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賃貸派の人気は、「1位 三ノ宮、2位 新大阪 3位 武庫之荘となっています。1位の三ノ宮は5年連続、2位の新大阪は3年連続というように、比較的ランキングの変動は少なかったようです。そして、近畿圏で最も購買派の人気を集めたのは本町です。こちらは2年連続となっていますが、2位の三ノ宮、3位の谷町四丁目は、両方とも前回よりも大きく順位を上げています。

注目度の高い物件の供給が、やはりランキングに影響している様です。

 <中部圏

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(画像出典:LIFULL HOME’S)

中部圏も賃貸派の人気傾向はそれほどコロナ禍の影響はないようで、1位の岐阜、2位の豊橋、3位の岡崎なども安定して上位をキープしています。また、購買派に最も人気があったのは名古屋で、これは前年より48も順位をあげています。名古屋は元々中部圏の中心都市ですが、その徒歩圏で大規模な分譲物件のプロジェクトがあった影響が大きかった様です。

元々ポテンシャルが高い地域ですから、当然と言えば当然かもしれませんね。

 <九州圏>

住みたい街ランキング 2021

(画像出典:LIFULL HOME’S)

九州圏では、やはり福岡市の人気が群を抜いているようです。賃貸派の第1位は4年連続の博多、購買派の第1位は唐人町が前回の3位から順位を上げています。こちらも、元々便利だった地域に大規模なタワーマンションが建設されることが人気を牽引しているようです。

首都圏エリアとその他の地域との違い

ここまで見てきたように、2021年版の住みたい街ランキングでは、首都圏とその他の地域で傾向が分かれました。首都圏ではコロナ禍の影響がランキングに影響を及ぼしているのに対して、その他の地域ではあまり影響は見られていないという結果になりました。

これは、新型コロナウイルスの流行の仕方や元々の密集度合の違いが影響しているのかもしれません。密集が進んでいた首都圏では、コロナ禍により都心にいる必要がある人とそうでない人とがはっきりと分かれたとも言えます。もちろん、交通網の発達により準郊外や郊外での選択肢が多いことも影響しているのかもしれません。

今回は、コロナ禍の中で発表された2021年版の住みたい街ランキングについて見てきました。首都圏とその他の地域では、若干傾向に違いが見られましたが、働き方が変わりライフスタイルの変化が継続されれば、今後首都圏以外の地域でもまた違った傾向が出てくるかもしれません。例えば、本社機能の郊外への移転といった事によっても人の流れは変わってきます。

時代とともに人々のニーズ、住まいというものに対しての価値観も変わっていく中で、その移り変わりを見る事ができる「住みたい街ランキング」。今後も注目していきましょう

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